1月2日 全日本プロレス「2022 NEW YEAR WARS」後楽園ホール 720人
(試合内容は実況ツイートより)
<第1試合 井上凌デビュー戦 15分1本勝負>
〇田村男児(6分24秒 逆エビ固め)×井上凌
<第2試合 20分1本勝負>
石川修司 〇斉藤ジュン(9分45秒 逆エビ固め)ライジングHAYATO ×斉藤レイ
<第3試合 30分1本勝負>
渕正信 〇大森隆男 ブラックめんそーれ TAMURA アンディ・ウー(7分15秒 片エビ固め)ヨシタツ ×立花誠吾 植木嵩行 バリヤンアッキ 今井礼夢
※アックスボンバー
<第4試合 ワールドワイドジュニアスペシャル6人タッグマッチ 30分1本勝負>
〇スペル・クレイジー TAJIRI CIMA(10分1秒 エビ固め)イザナギ ×SUGI MUSASHI
※シットダウンパワーボム
<第5試合 新春バトルロイヤル>
〇ライジングHAYATO(7分54秒 オーバー・ザ・トップロープ)×デビル紫 ×立花誠吾
【退場順】入江茂弘、今井、井上、大森隆男、男児&TAMURA、ジュン&レイ、アンディ&めんそーれ、石川修司、ヨシタツ、アッキ、植木
<第6試合 30分1本勝負>
宮原健斗 〇青柳優馬 青柳亮生(11分44秒 片エビ固め)諏訪魔 ×芦野祥太郎 佐藤光留
※スピンキック
<第7試合 45分1本勝負>
〇アブドーラ・小林 伊東竜二 関本大介(9分19秒 体固め)本田竜輝 土肥こうじ ×羆嵐
※ダイビングバカチンガーエルボードロップ
<第8試合 アジアタッグ選手権試合 60分1本勝負>
【挑戦者組/2021 Jr. TAG BATTLE OF GLORY TOURNAMENT優勝】〇大森北斗 児玉裕輔(14分40秒 片エビ固め)【第111代王者組】T-Hawk ×エル・リンダマン
※無想一閃
☆T-Hawk&リンダが3度目の防衛に失敗、北斗&児玉が第112代王者となる。
50周年目を迎えた全日本プロレスの2022年度が開幕し、所属全選手が揃っての新年の挨拶に登場した福田剛紀社長は愛媛プロレスから参戦していたHAYATO、フリーとして参戦していた芦野を新入団選手として発表する。なおHAYATOは愛媛プロレスと2団体契約となる。そして諏訪魔の呼びかけにジャンボ鶴田や諏訪魔を輩出した中大レスリング部の安齋勇馬が登場、全日本プロレス入りが正式に発表され、観客にお披露目となった。
そして最後に福田社長から重大発表があり、9月18日に全日本プロレスが18年ぶりに進出することになった。
武道館に進出するのは2004年の2月22日以来で、この時は武藤敬司体制だったが、経費削減で撤退を余儀なくされていた。武道館はよほどの信用がないと借りれない会場だったが、日本武道館を設計した山田守氏が福田社長が経営する会社に関わっていたという縁もあって、武道館を押さえることが出来たという。
新入団となったHAYATOは第2試合ではレイと組んで、石川&ジュン組と対戦したが、レイがジュンの逆エビ固めの前に敗れて初戦を飾れなったものの、第5試合で行われた新春バトルロイヤルではデビル紫、立花と共に勝ち残り、デビル紫と立花がエプロンで攻防を繰り広げた際に、HAYATOが二人まとめてドロップキックで場外へ落としてオーバー・ザ・トップロープで失格させ、優勝を果たし賞金100万を獲得、ゲンのいいスタートを切った。
そしてもう一人の新入団選手である芦野は3日に行われる世界タッグ選手権前哨戦に臨み、諏訪魔&光留と組んで宮原&青柳&亮生のNEXTREMと対戦、序盤はNEXTREMが光留を捕らえて試合をリードも、Evolutionは芦野と光留がダブルアキレス腱固め、サンドウィッチ攻撃と亮生を捕らえて反撃して試合の流れを変える。
亮生は諏訪魔に延髄斬りから宮原に代わり、宮原は諏訪魔に低空ドロップキックから側頭部へドロップキックを放つが、諏訪魔はフライングショルダーで反撃、代わった光留もミドルキックの連打、串刺しミドルキックで続くが、水車落とし狙いは宮原が逃れるとバイシクルキックを浴びせる。
青柳に代わるが、光留は宮原、青柳にジャンピングハイキック、代わった芦野がエルボースマッシュで続き、宮原&青柳の連係も阻止した芦野は宮原をジャーマンで排除すると、青柳と芦野がエルボーのラリーから芦野がアッパーカットを浴びせ、諏訪魔が入ってウルトラジャーマンボムを狙うが、宮原がカットには入り、亮生が諏訪魔と芦野にミサイルキックを放つ。
青柳と芦野はエルボーのラリーも、青柳がジャーマンで投げれば芦野もジャーマンで応戦するが、ラリアットは青柳がガードするとスピンキックを炸裂させて3カウントを奪い勝利となる。
試合後は芦野もKOされて立ち上がることが出来ず、青柳もマイクをもって「おい、芦野、芦野太郎。入団おめでとう。今日から全日本プロレスってことは、お前は全日本プロレス太郎だ、コノヤロー。まったく全日本プロレスはいつからゴミ拾いするようになったんだろうな、まあ、今日はめでたい日だ。太郎にみんな拍手してやってくれ」と高笑いすると、激怒した諏訪魔が宮原&青柳に襲い掛かるが、宮原がエプロン上でのパイルドライバーで諏訪魔をKOすると、マイクをもって「まずは明けましておめでとうございます。おい、全日本プロレス50周年イヤーだ。宮原健斗は皆さんご存知の通りスーパースターだ。ご存知でしょ? スーパースターの条件を教えよう。こういう記念すべき年に中心に行く男のことを言うんだ。おい、プロレスファンよ。全日本プロレス50周年イヤー、この俺が中心に行く」と締めくくる。
2日の後楽園大会ではジェイク・リーvsアブ小による三冠ヘビー級選手権が行われる予定だったが、ジェイクが12月26日、新木場でのファン感謝デーで本田がラリアットを狙った際に、ジェイクが飛び膝で阻止しよとしたが、バッティングとなってジェイクは左目から出血、試合後に鼻骨骨折、左眼窩内側壁骨折と診断されたため欠場となって三冠王座は返上、選手権も白紙になった。
それに伴ってカードも変更されアブ小は伊東、関本を引き連れて参戦し、TOTAL ECLIPSEの土肥&羆嵐、そして自らの志願でTOTAL ECLIPSE入りとなった本田組と対戦し、本田は髪を染めて新コスチュームで登場する。
本田が大日本プロレス組に奇襲をかけて開始になるとTOTAL ECLIPSEがアブ小を袋叩きにするだけでなく、場外戦でも本田はブルロープでアブ小を叩いてカウベルで叩くなどして痛めつける。
TOTAL ECLIPSEはアブ小を捕らえて試合をリードするが、アブ小は本田に河津掛け、DDOで反撃してから伊東に代わり、伊東が竹刀でTOTAL ECLIPSEで殴打するが、本田はスピアーで反撃、土肥に代わってショルダータックル、串刺しバックエルボーからショルダータックルと攻め込むが、ラリアット狙いは伊東が関本からイスを投げて迎撃する。
終盤でもTOTAL ECLIPSEはアブ小を捕らえ、羆嵐が本田のラリアットの援護を得て重爆セントーンでアブ小を圧殺し、トップコーナーから重爆ダイビングセントーンを狙うが、伊東が竹刀でフルスイングから関本が入って雪崩式ブレーンバスター&パワーボムの合体技で叩き落とすと、アブ小がバカチンガーエルボーを投下、最後は関本がジャーマンから伊東がドラゴンスプラッシュ、アブ小がダイビングバカチンガーエルボーと波状攻撃をかけて3カウントを奪い大日本プロレス組が勝利を収める。
試合後にアブ小がマイクを持つと、「ここはマイク持たなきゃダメでしょ。今日三冠戦楽しみにしてた人? えっ、満場一致。ありがとうございます。ちょっと皆さん冷静になって考えてください。去年はオリンピックがありました。例えば1位の選手。何かしら金メダルの選手がアクシデントでいなくなったとします。そうしたら、金メダルは誰の手にいきますか? 2位の選手ですよね? ということは、ということは、ということは、俺が三冠王者でよろしいでしょうか!」と自身が暫定三冠王者であることをアピールすると、最後は「愛してまーす」で締めくくろうとしたら、激怒した本田がラリアットでアブ小をKOして阻止し、唾を吐き捨て退場、それでもアブ小は座ったままで「愛してまーす」で意地で締めくくる。
本来のパートナーである岩本煌史を失ったことで、敢えてTOTAL ECLIPSEに飛び込んでイメチェンを果たした本田だが、大日本組にいいようにされたことで”ふざけんな”という想いをアブ小にぶつけていった。この本田の自己主張が自信をどう変えて全日本プロレスで存在感を発揮していくのか…
三冠戦が中止になったことに伴ってアジアタッグ選手権がメインに昇格し、王者組のT-Hawk&リンダの#STRONGHEARTSに26日に新木場で開催された「2021 Jr. TAG BATTLE OF GLORY TOURNAMENT」に優勝を果たしたTOTAL ECLIPSEの北斗&児玉が挑戦する。
試合はSTRONGHEARTSの連係を阻止した北斗が場外戦に持ち込むも、STRONGHEARTSは同士討ちを誘発して反撃、北斗を捕らえて試合をリードする。
北斗はリンダにネックブリーカーで反撃すると、代わった児玉がT-Hawkにエルボーの連打からドロップキック、リンダにはハンドスプリングエルボーを命中させ、T-Hawkにロープ越しのジャンピングハイキックからダイビングエルボーアタックと盛り返す。
しかしT-Hawkが児玉に逆水平、スパインボムで反撃すると、ナックルから後頭部へケルベロスを浴びせ、リンダvs北斗に代わると、串刺しエルボーの応酬から北斗がエルボーの連打に対し、リンダは水車落としから突進するが、北斗がローリングエルボーで迎撃すると、コンプリートショットからトラースキックを放つ。
ここで児玉が入るとTOTAL ECLIPSEはリンダにサンドウィッチサン攻撃から合体RKOを決めるが、T-Hawkがカットに入ると北斗にブレーンバスターからリンダがフロッグスプラッシュを投下すると、STRONGHEARTS連係からウラジゴク、リンダがジャーマンスープレックスホールドと畳みかけ、リンダはノータッチトペコンで児玉を排除する。
STRONGHEARTSは北斗にAKACHOCHINを狙うが、北斗が阻止するとT-Hawkにデスバレーボム、児玉がリンダにスパニッシュフライを決め、勝負と見た北斗がドラゴンスープレックスホールド、そして無想一閃でリンダから3カウントを奪い、アジアタッグ王座を奪取した。
試合後に北斗が「どうだ、後楽園。GLEATの2人を倒してベルトを巻いている俺たちの姿はよ? 新年早々、いいもの見れたな、お前ら。ジェイクさんにはちょっと申し訳ないけど、プロレスの神様はきっと俺と児玉さんのこの姿をメインで見せたかったと思うんだ。神様もきっと俺のファンなんだろうな。もちろんこの世で大森北斗のことを一番好きなのはこの俺、大森北斗だ!全日本ジュニアこのままで大丈夫かってみんなちょっと思ってるかもしれないけど、それは絶対大丈夫。なぜなら全日本ジュニアには俺がいるからだ!今、どん底にいるこの全日本ジュニアを、50周年の当日まで日本で一番のジュニアにしてやるよ、俺が!俺のことを好きな人も嫌いな人も、全員俺が満足させてやるから見とけ」と叫んで大会を締めくくった。
ジェイクの欠場でメインに抜擢された北斗だったが、相手がチームワークに優る#STRONGHEARTSが相手と言うことで、どこまでメインの大役を果たせるかがてーまとなっていたが、終わってみれば北斗自らリンダを降してアジアタッグ奪取と期待以上の活躍どころか主役まで奪い取った。今回の試合は北斗にとっても大きな勝利だった。
昨年1年の北斗はTOTAL ECLIPSE入りしたことでヒールとして模索し、中には中途半端と批判されることもあったが、世界最強タッグでジェイクのパートナーに抜擢されたことがきっかけになったのか、北斗も自己主張を始め、自分のカラーを押し出せるようになってきた。
昨年はゼウス、岩本、そして野村直矢と主力が退団したが、芦野やHAYATOが入団するだけでなく、本田や北斗が自己主張し始めたことで、新しい芽も育ち始めた。諏訪魔や宮原やジェイクだけでない、若い選手が自己主張することで、50周年を迎えた全日本プロレスは大きく変わることは間違いないだろう。