新日本プロレスがサオリーナ初進出…後藤洋央紀デビュー20周年は家族一緒で『消灯!』


4月22日 新日本プロレス「後藤洋央紀デビュー20周年記念大会」三重・津市産業・スポーツセンター サオリーナ 1753人

<第1試合 20分1本勝負>
〇矢野通 オレッグ・ボルチン(7分17秒 横入り式エビ固め)×大岩陵平 オスカー・ロイペ

<第2試合 20分1本勝〇>
〇グレート・O・カーン TJP フランシスコ・アキラ(11分8秒 大空スバル式羊殺し)×天山広吉 KUSHIDA ケビン・ナイト

<第3試合 20分1本勝負>
マーク・デイビス カイル・フレッチャー 〇ジェフ・コブ アーロン・ヘナーレ(11分33秒 片エビ固め)ザック・セイバーJr. マイキー・ニコルス シェイン・ヘイスト ×藤田晃生
※ツアー・オブ・ジ・アイランド

<第4試合 30分1本勝負>
タマ・トンガ ヒクレオ 〇海野翔太 マスター・ワト(10分3秒 STF)デビット・フィンレー KENTA 石森太二 ×外道

<第5試合 30分1本勝負>
鈴木みのる エル・デスペラード 〇成田蓮 タイガーマスク(11分4秒 コブラツイスト)オカダ・カズチカ 石井智宏 真壁刀義 ×本間朋晃

<第6試合 30分1本勝負>
SANADA タイチ 〇金丸義信 DOUKI(12分17秒 足四の字固め)内藤哲也 鷹木信悟 高橋ヒロム ×BUSHI

<第7試合 後藤洋央紀デビュー20周年記念試合 30分1本勝負>
〇後藤洋央紀 YOSHI-HASHI YOH(18分53秒 片エビ固め)EVIL 高橋裕二郎 ×SHO
※昇天・改

今日の観戦は新日本プロレス「後藤洋央紀デビュー20周年記念大会」が開催された津市産業・スポーツセンター サオリーナを訪れた。
サオリーナは伊勢自動車道津インターチェンジを降りて約3分にあり、津市産業・スポーツセンターの中にある屋内総合スポーツ施設の一つで、名称であるサオリーナはレスリング世界選手権で吉田沙保里さんにちなんで名づけられた(命名したのも吉田さん本人)。2017年に開業したものの、プロレス興行はスポーツセンターに併設されている「メッセウイングみえ」で主に行わており、サオリーナはミズノスポーツの持ち物であることから、プロには大相撲、バスケットボールのBリーグ、バレーボールのVプレミアリーグしか貸し出されなかったが、そのサオリーナに新日本プロレスが初進出となった。

メインは大会の主役である後藤洋央紀がYOSHI-HASHI、YOHと組んでEVIL&裕二郎&SHOのHouse Of Tortureと6人タッグマッチで対戦、昨年NEVER無差別級6人タッグ選手権を巡って抗争を繰り広げた者同士の組み合わせとなったが、今回のHouse Of Tortureはディック東郷が不在のため、3人体制で試合に臨んだ。

試合は後藤vsEVILで開始も、後藤の背後をSHOが襲撃すると、House Of Tortureが総がかりで後藤を袋叩きにするが、後藤がEVILに反撃すると、YOSHI-HASHIが入って毘沙門がダブルショルダータックルからザンマイ、YOHも入ってザンマイとCHAOSが反撃し、カットに入る裕二郎には太鼓の乱れうちを浴びせる。

しかし、YOSHI-HASHIがSHOの作った剝き出しコーナーに叩きつけられると、House Of Tortureが場外戦に持ち込んで、スタンド席まで雪崩れ込むなど大乱闘を繰り広げ、EVILは後藤を鉄柵に押し込んで本部席を破壊するなどやりたい放題暴れ、リングに戻ってもYOSHI-HASHIを捕らえて試合をリードする。

YOSHI-HASHIが反撃して、やっとYOHに代わると、YOHはドロップキックなどでHouse Of Tortureを攻めるが、裕二郎のトップロープへのフラップジャックを食らってしまうと失速する。更にYOHがロープへ走ったところで、場外のSHOに足を取られて転倒するが、今度はEVILがロープへ走ると、場外の後藤が足を取って、EVILが転倒、ここで代わった後藤がEVILに村正からバックドロップ投げる。

EVILのレフェリーを利用したトラースキックも阻止した後藤は串刺しラリアットからダイビングエルボードロップを狙うが、SHOと裕二郎によってトップコーナーから落とされてしまうと、House Of Tortureがトレイン攻撃からEVILがフィッシャーマンバスター、ダークネスフォールズと畳みかける。EVILはEVILを狙うと、後藤がコーナーへ押し込んで阻止し、今度はCHAOSがトレイン攻撃、連係から3人での消灯が決まり、勝負あったかに見えるたが、SHOがレフェリーを場外へ引きずり出したたためカウントは阻止されてしまう。

しかし、EVILは消灯を食らったダメージで戦線を離脱、裕二郎が入ってYOH、YOSHI-HASHIをステッキで一撃して排除すると、後藤にも一撃を浴びせ、EVILから無理やり代わったSHOが後藤にクロスアーム式パイルドライバーからショックアローを狙うが、リバースした後藤が牛殺しを狙うも、裕二郎がカットに入り阻止、それでも後藤は裕二郎&SHOに両腕ラリアットを炸裂させ、二人まとめてブルドッキングヘッドロックで叩きつける。

YOSHI-HASHIがしゃちほこラリアットで裕二郎を排除すると、後藤がSHOに念を込めてミドルキックからGTRを狙うが、やっと息を吹き返したEVILがカットに入り、YOHが入ると、トラースキックの援護から、後藤が盟友・柴田勝頼の必殺技であるスリーパーからのPKを炸裂させ、EVILを排除する。

後藤が試合権利のあるSHOに牛殺しを決めると、最後はGTRの前のフィニッシュ技である昇天・改で3カウントを奪い、デビュー20周年を勝利で飾った。

試合後にデビュー20周年セレモニーが行われるが、サプライズとして「Takeover」が流れると、高校時代からの盟友である柴田勝頼が登場する。これは後でわかったことだが、柴田は当日アメリカにいるとして来場する予定ではなかったという。柴田は後藤に記念の花束を贈呈するとマイクで「20周年、おめでとうございます! これからも体に気をつけて、お互いに頑張りましょう! 本当にまたいつかどこかの大会で、リングの上で向かい合えることを楽しみにしています。以上! 子供たち、子供たち、おいで!」と再び対戦することを約束して、エールを送り、後藤の家族を呼び寄せる。

次に後藤の家族がリングに入り、長男から「パパ、強かったよ」と激励を受けると、後藤「お父さんは本当は強いんだ! でも、20年間、こうして闘ってこれたのは、やっぱり家族のおかげです。本当にありがとう」と感謝をして子供らを抱きしめる。
子供らからの激励の手紙も受けた後藤は感極まって涙を流し、最後は家族全員で「せーの、消灯!」で締めくくり、YOSHI-HASHIとYOHも加わっての記念撮影となって、後藤のデビュー20周年はこうして幕となった。

自分はおそらくだが選手のデビュー記念試合を生で見るのは初めてだったが、試合内容に関しては一進一退ながらも、主役が勝って盟友が駆けつけ、家族に見送られたシーン、こんなに感動的なものになるとは思ってみなかった。
自分にとって後藤洋央紀は新日本プロレス再建の立役者の一人で、メキシコ武者修行に出ていた後藤は2007年に凱旋帰国するも、この時の新日本プロレスはユークス期ながらもどん底の状態だった。しかし11月11日の両国で行われた棚橋弘至とのIWGPヘビー級選手権試合、この試合では後藤は敗れたものの、新日本プロレスのV字回復のきっかけを作った名勝負となり、棚橋や中邑真輔、真壁刀義と共に新日本プロレスの中心となって、再建の一役を担った。
しかし、ブシロード体制に代わると、オカダ・カズチカの台頭で棚橋や真壁は一歩引き、中邑もWWEへ移籍するなど時代が変わり、後藤も内藤哲也からイジられるなど時代の波に押されそうになったが、現在ではYOSHI-HASHIという名パートナーに恵まれたことで、タッグ戦線で存在を発揮、まだまだタイトル戦線に大いに絡んでいる。
何度も落ちても這い上がってくる強さ、それが後藤の原動力であり、新日本プロレスで長く活躍している源になっているのではと思う。

最後に後藤洋央紀選手、デビュー20周年おめでとうございます。

その他の試合はセミファイナルで行われたJUST 5 GUYSでLIJの8人タッグ戦は、SANADA&金丸を同時に攻めようとするヒロムをJ5Gが捕らえて試合をリード、LIJも反撃するがリードを奪うまでには至らない。最後も金丸がBUSHIの左脚を攻めてから足四の字で捕らえると、SANADAがヒロムをScullEnd、タイチが鷹木を聖帝十字凌、DOUKIが内藤をイタリアンストレッチNo.32で捕らえる競演を完成させ、BUSHIがギブアップとなって、J5Gが完勝。試合後もJ5Gが勝どきをあげ勢いを見せつける。

第5試合のタイガーを含めたSTRONG STYLEvsオカダ率いる連合軍の8人タッグ戦は、サンノゼ大会から遺恨が勃発しているデスペラードと石井が激しくやり合う中、成田がコブラツイストで本間からギブアップを奪い勝利。だが試合後も石井とデスペラードの乱闘が続き、睨み合いになったところで、石井がデスペラードの古傷である顎めがけて頭突きを浴びせKOする。
この事態に激怒した鈴木が石井に詰め寄り一触即発となるが、真壁やヤングライオンが必死で制止するも、NEVER無差別級6人タッグ選手権へ向けて遺恨が深まってしまった。

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