小川&鼓太郎が見せた真の三沢魂・・・GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 2019優勝!~三沢光晴に緑の献花を2019~


6月13日 NOAH「GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 2019~三沢光晴メモリアル2019 in OSAKA~」エディオンアリーナ大阪第二競技場 885人超満員

<第1試合 20分1本勝負>
○稲村愛輝(6分44秒 逆エビ固め)×岡田欣也

<第2試合 30分1本勝負>
○モハメド ヨネ クワイエット・ストーム(8分21秒 片エビ固め)×齋藤彰俊 井上雅央
※ラリアット

<第3試合 30分1本勝負>
田中稔 ○Hi69 大原はじめ NOSAWA論外(7分52秒 片エビ固め)熊野準 クリス・リッジウェイ ×宮脇純太 諸橋晴也
※ストゥーカスプラッシュ

<第4試合 30分1本勝負>
○拳王 マサ北宮 小峠篤司(15分28秒)清宮海斗 原田大輔 ×タダスケ
※ダイビングフットスタンプ

<第5試合 GLOBAL Jr. TAG LEAGUE 2019 優勝決定戦 時間無制限1本勝負>
【リーグ戦1位】小川良成 ○鈴木鼓太郎(24分16秒 エビ固め)【リーグ戦2位】×YO-HEY HAYATA
※三沢魂タイガードライバー91
☆小川&鼓太郎がGLOBAL Jr. TAG LEAGUE 2019を優勝

<第6試合 三沢光晴メモリアルマッチ 60分1本勝負>
○谷口周平(17分52秒 変型キャメルクラッチ)×丸藤正道

<第7試合 GHCタッグ選手権試合 60分1本勝負>
【挑戦者/GLOBAL TAG LEAGUE 2019優勝者組】杉浦貴 KAZMA SAKAMOTO(28分0秒 レフェリーストップ)【第49代選手権者組】×中嶋勝彦 潮崎豪
※フロントネックロック
☆中嶋&潮崎が2度目の防衛戦に失敗、杉浦&KAZMAが第50代王者となる。

 「三沢光晴メモリアル」が4年ぶりに大阪で開催され、自分も三沢カラーである緑の献花を持って訪れ、開場と共に北側奥に設置された献花台に献花を供え、亡き故人を偲んだ。

 今回は三沢メモリアルということで、リングキャンバスは新カラーではなく、旧カラーである緑が限定復活、よく考えれば2月まではこのカラーが当たり前だったことから、キャンバスのカラーが変わったことに違和感はない。大会前には参加全選手が揃って東側入場ゲート上に掲げられた三沢の遺影に黙祷、黙祷終了と共に三沢の入場テーマ曲「スパルタンX」が流され、リングには大量の緑の紙テープが投げ込まれた。

 第2試合には彰俊が雅央との復活ダークエージェントでヨネ&ストームのファンキーパワーズと対戦、レフェリーは西永レフェリーが務めた。開始から速攻勝負を仕掛けたダークエージェントだったが、雅央が捕まって流れが変わり、彰俊に代わってもファンキーパワーズの連係の押し切られてしまう。
 ヨネがラリアットの連打を浴びせ、彰俊は何度もダウンするが、ヨネが三沢の遺影に指を差して「三沢さんが見ているぞ!」と激を飛ばし、彰俊は意地で立ったが、立つだけで精一杯だったか、ヨネのラリアットを喰らって3カウント、それでも彰俊は雅央と共に三沢の遺影に深々と頭を下げ、館内から声援と握手を送られた。三沢の死から10年、彰俊も西永レフェリーも三沢が倒れたリングにいた。二人にとって三沢の死は一生忘れることは出来ない。

優勝決定戦を迎えたGLOBAL Jr. TAG LEAGUE 2019、進出したのはGHCジュニアタッグ王者組で小川&鼓太郎のstingerと、前年度覇者で3連覇を狙うYO-HEY&HAYATAの金髪夫婦、両軍は開幕戦である5月27日後楽園大会で対戦しており、両軍リングアウトの痛み分けに終わっていることから、事実上の決着戦となった。
 先発で出た鼓太郎とYO-HEYが読み合いで出方を伺うも、小川vsHAYATAに代わると、小川がHAYATAの肩を鉄柱に直撃させてから、HAYATAを捕らえにかかり、HAYATAの首に集中攻撃を加える。stingerはエルボードロップ&フットスタンプの同時攻撃も敢行、小川は三沢式フェースロックまで披露してHAYATAに反撃する機会すらなかなか与えない。

 劣勢のHAYATAは延髄斬りでやっと一矢報いてYO-HEYに交代、YO-HEYはドロップキック、stingerの同士討ち、二人まとめてドロップキックで盛り返し、小川にはその場飛びニールキック、追尾式エルボーで攻め込むも、コーナーからのダイブは小川が急所ニーで撃墜、そこで鼓太郎がすかさずピットを発射、串刺しニーから地獄の断頭台でYO-HEYを攻め込む。

鼓太郎はブルーディスティニーを狙うが、YO-HEYは着地してカサドーラ式フェースバスターを決め、代わった小川のバックドロップも着地してドロップキックを放ってHAYATAに交代、HAYATAは2ステップ式ムーンサルトプレスを投下、小川との切り返し合いからDDTを決め、YO-HEYが入りトータルレンジャー、座り込んだ小川にダブルトラースキック、YO-HEYがカットに入る鼓太郎を排除している間に、HAYATAは小川にみちのくドライバーⅡを決める。

 しかしHAYATAのムーンサルトプレスが小川の剣山で迎撃されると、小川がスリーパーからジャストフェースロック気味に捕らえてHAYATAを絞めあげ、バックドロップで投げてから鼓太郎に交代も、YO-HEYはブラインドタッチでHAYATAから交代、交代に気づくのが遅れた鼓太郎にミサイルキックを発射してからツイスト・オブ・フェイドを決め、顔面へのトラースキックからHAYATAが入り、合体ツイスト・オブ・フェイドを狙うが、鼓太郎がエルボーやボディーエルボーで逃れると、今度は小川が入り、流れるような三沢&小川連係でYO-HEYを捕らえる。

 鼓太郎は三沢魂タイガードライバーを狙うが、YO-HEYは堪えてコーナーに押し込むと、控えのHAYATAがロープ越しのジャンピングハイキックを浴びせ、再びHAYATAが入って合体ツイスト・オブ・フェイドを決め、YO-HEYが顔面Gを狙うが、キャッチした鼓太郎がパワーボムで叩きつけると、レクイエムを狙うがYO-HEYはリバースフランケンで切り返してから、金髪夫婦がトラースキックの波状攻撃、ダブルトラースキックと畳み掛ける。

 YO-HEYは顔面Gを炸裂させ、連発を狙うが、キャッチして前へ落とした鼓太郎がエルボーの連打から突進すると、YO-HEYはドロップキックで迎撃、再び顔面Gを炸裂させて、スーパー顔面Gが決まって勝負あったかに思えたが、鼓太郎はカウント2でキックアウト、YO-HEYはならばと奥の手であるバンブー・ドラゴン・フライを投下するが、避けられ自爆となってしまう。
 鼓太郎はエルボーのコンポ、三沢魂ローリングボディーエルボーと畳み掛けると三沢魂ランニングエルボーを炸裂、ブルーディスティニーから三沢魂タイガードライバーが決まって勝負あったかに見えたが、YO-HEYはカウント2でキックアウトする。

 HAYATAが入ると小川も入り、鼓太郎と小川が合体タイガードライバーで排除すると、鼓太郎が再度三沢魂タイガードライバーを狙うかと思いきや、三沢の奥の手である三沢魂タイガードライバー91を決めて3カウントを奪い、stingerがGHCジュニアタッグ王者のままでリーグ戦を優勝した。

 試合後には鼓太郎が「この三沢さんの追悼大会、オレはずっと上がることは出来ませんでした。今回の9日の後楽園ホール、今日のエディオンアリーナと出してもらうことが出来て、恥ずかしながら『帰ってきました』と報告できそうです」とアピールすれば、普段マイクアピールをしない小川がマイクを持ち

 とアピールしてリーグ戦を締めくくったが、三沢の命日には全日本プロレスの秋山準だけでなく、新日本へ行った石森太二もTwitterでコメントを出し、金丸義信もインタビューに答えるなど、NOAHは離れているが三沢のことは決して忘れていないことを伝えた。
 小川は「三沢さんのことは忘れないで欲しい」とアピールしたが、三沢光晴というレスラーを生で見てきた人間がいる限りは忘れはしない、stingerの勝因はまさしく二人の三沢魂が勝因だったのかもしれない。しかしstingerは次なる展開に早くも打って出てリッジウェイの獲得に成功して勢力拡大、リッジウェイと組んできた熊野の立場はどうなるのか・・・

 メインイベントは中嶋&潮崎のAXIZが保持するGHCタッグ王座に、 GLOBAL TAG LEAGUE 2019を優勝した杉浦&KAZMAの杉浦軍が挑戦、開始から潮崎が逆水平からフライングショルダーを狙うが、杉浦がニーで迎撃し、先手を奪ったかに見えたが、エルボーを浴びせる杉浦に潮崎がいきなり豪腕ラリアットが炸裂、場外戦となると中嶋は客席にKAZMAを座らせてミドルキックを浴びせてイスごとなぎ倒し、更に杉浦をエプロンにうつ伏せに固定すると、潮崎がニーアッパー、中嶋は紙テープで杉浦の首を絞めるなど、AXIZが先手を奪う。
 リングに戻ってもAXIZは容赦なく杉浦を痛めつけ、中嶋も攻めつつファンに写真を煽るなど余裕ぶりを見せ、潮崎もエルボーで抵抗する杉浦に逆水平も、ブレーンバスター狙いを前落としで逃れた杉浦はキチンシンク、やっとKAZMAに交代する。
 代わったKAZMAは中嶋に雄叫びを挙げながら追尾エルボー、潮崎には串刺しボディーアタックで奮戦、アッパー掌打を放っていくが、潮崎はフライングショルダーを発射、KAZMAをコーナーに押し込んでマシンガンチョップを乱打、ランニング袈裟斬りを放つも、フィッシャーマンズバスター狙いはKAZMAが堪え、逆水平のラリーに持ち込むと、ニーアッパーを浴びせてからトラースキック、潮崎のバックドロップに対してジャーマンで応戦する。
 代わった中嶋は低空ドロップキックから延髄斬りを放つが、突進したところでKAZMAが「マッタ!」から延髄斬りで応戦して杉浦に交代、杉浦も串刺しビックブーツ&ニーの往復攻撃で続き、滞空雪崩式ブレーンバスターから逆エビ固めで捕らえる。
 逃れた中嶋はミドルキックで反撃すれば、杉浦はエルボーで応戦してラリーとなり、中嶋が連打で押し切ってからドラゴンスクリュー、潮崎が入ってダブルトラースキック、そして中嶋がPKを狙ったが、杉浦が避けたところでKAZMAが入り、トラースキックを炸裂させる。
 中嶋を捕らえた杉浦軍はエルボーでサンドバックタイムを敢行、しかしKAZMAのキックを中嶋が杉浦にキャッチさせると、中嶋がトラースキックを浴びせ、逆に杉浦軍の二人にミドルキックを乱打、潮崎が入って連係で杉浦を捕らえ、逆に中嶋のミドルキック、潮崎の逆水平によるサンドバックタイムで杉浦を蹂躙してからフィッシャーマンズバスター&トラースキックの合体技を決める。
 中嶋はPKからバーティカルスパイクを狙うが、杉浦はそのまま絞めあげてフロントネックロックで捕獲、ところが中嶋は強引に立ち上がりバーティカルスパイクを決める。
 中嶋は人でなしバトンキックを狙うが、杉浦はアンクルホールドで捕獲、潮崎が間一髪カットに入るが、杉浦がジャーマンで排除も、中嶋はレッグシザースで杉浦をターンバックルへ直撃させてからターンバックルを蹴り、トラースキックを放つも、倒れない杉浦はラリアットで応戦してランニングニーを炸裂させる。
 杉浦はコーナーに座り込んだ中嶋に、三沢の鬼がこもったエルボーを乱打、ところが中嶋が怯まず前へと押し返すと、逆に鬼エルボーを浴びせ、二つの鬼エルボーによるラリーに発展、杉浦はビンタも避けた中嶋が逆に浴びせ、杉浦は崩れかけるが、グーパンチで返して譲らない。
 杉浦は再び鬼エルボーからランニングニーを浴びせると、オリンピック予選スラムを決めて勝負あったかに見えたが、中嶋がキックアウトする。
 杉浦は鬼エルボーを乱打するが、再度オリンピック予選スラムを狙ったところで、中嶋が2度目のバーティカルスパイクを決め、顔面へのトラースキックからリバースフランケン、そして3度目のバーティカルスパイク、前後からのサッカーボールキックで杉浦を追い詰める。
 そして中嶋は再度人でなしバトンキックを狙うが、杉浦が避けたところでKAZMAが獣神サンダー・ライガー直伝の掌底が炸裂、カットに入った潮崎も掌底で排除すると、杉浦はフロントネックロックで捕獲、そのまま後転してグイグイ絞めあげて中嶋が落ちて試合がストップ、杉浦軍が王座を奪取した。

 試合後は杉浦が「三沢さんに恥ずかしくないように、安心して見届けてくれるように・・・」とアピールしていたが、舌が回らず思うように喋れないなど、ダメージの大きさを物語っていたが、開始早々から潮崎の豪腕ラリアットを喰らい、また中嶋と壮絶な打撃戦だけでなく、3度もバーティカルスパイクを喰らうなど、杉浦が負けてもおかしくない試合だった。またパートナーであるKAZMAはDRAGON GATEのオープン・ザ・トライアングルゲート王座に続いてタッグながら二つ目の王座を奪取、NOAHではベビーフェースではないものの、DRAGON GATEではヒールと使い分けるようになるなど、いろんな意味で器用なレスラーになりつつある。

 セミファイナルでは三沢メモリアルマッチとして丸藤が谷口と対戦、開始から丸藤がロープに押し込んだ際に鞭のようにしなる逆水平を一閃させると、これに呼応したのか、ロープワークの攻防で谷口はポップアップ式サイドバスターで反撃、串刺しは丸藤が迎撃してコーナーも、谷口がスレッジハンマーを浴びせ、ハイアングルのショルダースルーと攻め込むが、エプロンでの攻防で丸藤が虎王を浴びせ、場外戦でも逆水平を放っていく。
 リングに戻っても丸藤は逆水平、ソバット、チンロック、串刺し背面エルボーアタックと攻め込んでいくが、丸藤が飛びついたところで谷口はパワースラムで叩きつけ、串刺しラリアット、ダブルスレッジハンマーと攻め込むも、丸藤も逆水平で返して、ショルダーアームブリーカーからカーフストンプを決めて譲らない。
 丸藤は突進するが、キャッチした谷口が旋回式サイドバスターを決めて突進、今度は丸藤がドロップキックで迎撃し、谷口を場外へ落としてスーパーケブラータを狙うが、足を払って阻止した谷口がエプロンでのバックドロップを敢行する。
 リングに戻ると谷口はハイアングルでのノド輪落としを決めるが、マイバッハプレスは自爆すると、丸藤はトラースキックイリュージョン、串刺し虎王、見えない角度からのトラースキック、虎王と畳み掛け、不知火、コブラクラッチ式後頭部虎王と谷口を追い詰める。
 丸藤は虎王を狙うが、キャッチした谷口はエルボーを浴びせ、丸藤との逆水平とラリーとなり、谷口の頭突きに対して丸藤はトラースキックで応戦、虎王を炸裂させるが、倒れない谷口は頭突きを浴びせて怯まない。
 谷口は串刺しラリアットからハーフネルソンスープレックスを連発、そして青木篤志の必殺技であるアサルトポイントからマイバッハプレスを投下すると、最後は変型キャメルクラッチで丸藤はギブアップとなり、谷口が勝利。

今回の谷口は文句なしの勝利というか、普段からこういったものを出していれば、もっと早い段階に上にいってもおかしくない、これを機会に一気に登り詰めて欲しいが・・・

 全試合が終わった後で三沢の遺影に頭を下げ、また遭う日までと誓った。三沢メモリアルは一区切りで一旦封印されるが、三沢光晴というレスラーがいたことは絶対忘れないし、また絶対に逢える。それまでにNOAHが今まで以上になってほしい。

コメントは受け付けていません。

WordPress.com でサイトを作成

ページ先頭へ ↑