トップがそれぞれのフィニッシュで介錯!野人・中西学引退!


2月22日 新日本プロレス「中西学 引退記念大会」後楽園ホール 1720人超満員札止め
(試合内容は実況ツイートより)

<第1試合 20分1本勝負>
〇タイガーマスク ゲイブリエル・キッド(7分21秒 タイガーススープレックスホールド)辻陽太 ×上村優也

<第2試合 20分1本勝負>
鈴木みのる 〇タイチ エル・デスペラード 金丸義信(9分51秒 聖帝十字陵)矢野通 コルト・カバナ 田口隆祐 ×ロッキー・ロメロ

<第3試合 30分1本勝負>
SANADA 〇高橋ヒロム BUSHI(10分49秒 片エビ固め)トーア・ヘナーレ ×YHO SHO
※LAT

<第4試合 30分1本勝負>
〇ジェイ・ホワイト タマ・トンガ タンガ・ロア バットラック・ファレ(9分30秒 体固め)ジュース・ロビンソン デビット・フィンレー 真壁刀義 ×本間朋晃
※ブレードランナー

<第5試合 30分1本勝負>
〇内藤哲也 鷹木信悟 EVIL(12分13秒 片エビ固め)石井智宏 ×YOSHI-HASHI ウィル・オスプレイ
※デスティーノ

<第6試合 中西学引退試合 60分1本勝負>
オカダ・カズチカ 〇棚橋弘至 飯伏幸太 後藤洋央紀(18分3秒 片エビ固め)×中西学 天山広吉 小島聡 永田裕志
※ハイフライフロー

 後楽園4連戦最後を飾るのは中西の引退試合、中西は天山、小島、永田の第三世代と組んで、オカダ、棚橋、飯伏、後藤の本隊&CHAOSのトップ連合軍相手に引退試合となった。

 そして、新日本プロレスワールドの実況席にはゲスト解説に、中西にとって師匠である長州力が登場、中西の引退試合を見守った。

 中西vsオカダで先発となり、ロックアップから中西が押し込むと、オカダは体を入れ替えてブレークとなるが、オカダがアルゼンチンバックブリーカーを狙ううと、阻止した中西はショルダータックルからアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げ、着地したオカダのレインメーカーを、中西が避けてクロスチョップを浴びせる。
 ここで第三世代が入ってオカダをサンドバックタイムで、天山と中西がダブルショルダー、天山のヘッドドロップから中西がボディープレス、天山がモンゴリアンチョップと」畳みかけるが、中西の野人ラリアットが天山に誤爆すると、連合軍が場外戦で反撃する。
 連合軍は棚橋と飯伏が掟破りのモンゴリアンチョップから天山を捕らえリードするが、天山は突進する後藤にマウンテンボムを決めると、代わった小島は後藤にマシンガンチョップ、串刺しエルボーからいっちゃうぞエルボードロップ、張り手のラリーから小島がローリングエルボー、後藤のラリアット狙いをカマイタチからコジコジカッターを決め、垂直落下式ブレーンバスターで突き刺す。
 小島はラリアットを狙うが後藤が牛殺しを決め、飯伏vs永田に代わり、永田がフェイント式低空ドロップキックに対して、飯伏はミドルキックからその場飛びムーンサルトで応戦、しかしジャーマンを阻止した永田はエクスプロイダーからナガタロックⅡで捕獲するが、バックドロップ狙いは飯伏が着地してオーバーヘッドキックを炸裂させる。
 棚橋に代わり、永田がビンタのラッシュからスロイダーで投げると、中西に代わり野人チョップの連打、ダブルチョップ、棚橋は低空ドロップキックからドラゴンスープレックス狙いは永田がカットも、永田のビックブーツは中西に誤爆すると、中西はアルゼンチンバックブリーカーで永田を担いで棚橋に放り投げた。
 ここで第三世代が入り、揃って野人ダンスから中西がラリアット、永田がビックブーツを浴びせ、中西がアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げるが、着地した棚橋がドラゴンスクリューを決め、永田にも決めると、連合軍が中西にトレイン攻撃から、棚橋がハーフラッチ、そしてハイフライフローを狙うが中西が起き上がって、トップコーナーから雪崩式ブレーンバスターで叩きつけてから、野人ダイビングクロスボディーを命中させる。
 中西は棚橋をアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げれば、天山が飯伏をアナコンダバイス、小島が後藤を川田殺し、永田がオカダをナガタロックⅡでセーブ、中西はヘラクレスカッターを決め、予告していた大中西ジャーマン狙うが、飯伏と後藤によってカットされてしまう。
 中西は飯伏と後藤をまとめてブレーンバスターで投げ、オカダに突進するが、オカダがドロップキック、棚橋がスリングブレイドと決めると、連合軍は孤立した中西に後藤がGTR、飯伏がカミゴエ、オカダがレインメーカーを立て続けに決めると、IWGPヘビー級王座を奪取した相手でもある棚橋がハイフライフローで3カウントを奪い、中西を介錯した。

 中西はこの日はエンジン全開とばかりにアルゼンチンバックブリーカーを4回を決めたが、予告していた大中西ジャーマンは決めることが出来なかった。最後に連合軍がそれぞれのフィニッシュを中西に決めたのは、中西だから全て受け止めらる。連合軍なりの介錯だったのかもしれない。
 引退セレモニーには天山、小島、永田がそれぞれメッセージを送り、本隊と記念撮影、メイ社長、菅林会長が花束を贈呈した後で、スペシャルゲストとして坂口征二相談役、専修大学OB代表として中西をコーチした馳浩、長州、デビュー戦でパートナーを務めた藤波辰爾が登場して中西を激励、最後に中西が感謝のメッセージの後で引退の10カウントが鳴らされ、中西の「1・2・3ホー!」で引退試合は締めくくられた。

 2009年5月6日の後楽園ホールで中西は棚橋を破りIWGPヘビー級王座を奪取した。当初この試合はノンタイトルで行われる予定だったが、来日予定だったミスティコが急遽来日をキャンセルし、3日前に後藤を破り王座を防衛したばかりの棚橋が急遽ベルトをかけるとアピールして実現した選手権だった。中西にしても急に降って沸いたチャンスでもあったが、中西はそのチャンスを逃さず棚橋を破り王座を奪取した。
 翌月の6月に伊賀大会が開催され、自分もベルトを巻いて登場する中西を生で見たが、ベルトの魔力なのか、中西に王者の風格すら漂っていた。数日後の大阪府立体育会館での棚橋との再戦に敗れ、中西政権は短期に終わったが、今思えば中西のベルト姿は貴重なものを見たと思っている。
 もっと早くにこういうものを出して欲しかった、中西はいつもそうだった。2008年4月6日 ZERO1-MAX JCBホール大会での田中将斗戦では自分の本来持っているものを一気に爆発させてパワーで田中を圧倒し、また2013年3月12日の尼崎大会で永田と組んで桜庭和志&柴田勝頼と対戦した際には、PRIDEで一時代を築いた桜庭相手に力でねじ伏せるなど、試合は敗れはしたが、この中西をもっと早くに見たかったという思いが強かった。
 もっと早くに覚醒していれば、中西は猪木や上井文彦さんの思惑通りにプロレスやMMAでも両立できるレスラーになっていたのか、猪木体制の新日本プロレスは救えたのか、今となってはわからない。わかるのは中西学は自分にとってもどかしいレスラーだったということ、IWGPヘビー級を奪取したときは、長年の苦労はやっと実ったという思いだった。
 第二の人生はどうなるかわからないが、引退してもプロレスラーを貫いていくように、引退しても野人を貫いていくと思う。

 中西学選手ご苦労様でした。

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