世界最強タッグ決定リーグ戦事件史②長州力率いるジャパンプロレスが乱入!

 前回は「1984世界最強タッグ決定リーグ戦」からダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミスのブリティッシュ・ブルドックスが新日本プロレスから全日本プロレスに電撃移籍したことを更新したが、この年の最強タッグから全日本に戦場を移したのはブルドックスだけではなかった。  

 1984年8月、大塚直樹氏の新日本プロレス興行が、新日本プロレスのライバル団体である全日本プロレスと提携したことで、新日本プロレスは新日本興行との取引契約を解除することを通告、これを受けた大塚氏は報復として新日本から選手を引き抜くことを公言、その第1弾として長州力、アニマル浜口、谷津嘉章、小林邦昭、寺西勇の維新軍団を引き抜き、第二弾として中堅だった永源遥、栗栖正伸、保永昇男、新倉史祐、新倉史祐、仲野信市、そしてマサ斎藤とキラー・カーンも合流し、会社名も新日本プロレス興行からジャパンプロレスと改称した。 

 長州らジャパンプロレス勢は「ジャイアントシリーズ」を開催している11月1日全日本後楽園大会を視察、長州はメイン終了を待たずにに会場を後にするが、メインに出場しジャンボ鶴田と組んでテリー・ゴーディ、バディ・ロパーツと対戦していた天龍源一郎も、試合を観ていた長州を意識せざる得ず、席を立つ長州と睨み合いを展開、長州らジャパンプロレス勢の全日本参戦は時間の問題となった。 

「1984世界最強タッグ決定リーグ戦」が11月22日、松戸大会から開幕した

 出場チーム 
ブルーザー・ブロディ スタン・ハンセン組
ジャンボ鶴田 天龍源一郎組 
ドリー・ファンク・ジュニア テリー・ファンク組 
ジャイアント馬場 ラッシャー木村組 
ハーリー・レイス ニック・ボックウインクル組 
ダイナマイト・キッド デイビーボーイ・スミス組 
タイガー・ジェット・シン マイク・ショー組 
ワンマン・ギャング 鶴見五郎組  

前年度覇者のブロディ&ハンセンの超獣コンビを筆頭に8チームがエントリー、新日本から引き抜いたブルドックス、8月の田園コロシアム大会からカンバック宣言をしていたテリーもドリーと組んでザ・ファンクスを復活させた、注目は馬場のパートナーで開幕までXとされていたが、入場式に登場したのは木村で、木村は第一次UWFに旗揚げから参戦していたが、一緒にUWFに参戦していた剛竜馬と共に離脱、プロレス解説者の菊池孝氏のとりなしで全日本に移籍した。  

そして最強タッグも後半となった12月8日愛知県体育館大会、この日は通常の土曜日夕方枠でなくゴールデンでの特番で生放送となったが、12月4日に高松にてプレ旗揚げ戦を終えていた長州らジャパンプロレス勢も大会を観戦していたことで、試合よりも長州の動向が注目された。公式戦では鶴田&天龍の鶴龍コンビが馬場&木村組と対戦、試合は木村は馬場のコントロールを受け付けず、一人勝手に暴れ、馬場が制止してリングに戻ったところでリングサイドに剛が現れ、木村に耳打ちすると、突如馬場にラッシングラリアットを浴びせ、鶴見や剛も乱入して試合をぶち壊し控室へ去ってしまう。試合は鶴龍コンビが木村の試合放棄で勝利となる。後に木村は鶴見、剛、そして同じ国際プロレスの高杉政彦、菅原伸義と共に国際血盟団を結成、馬場を標的にして全日本マットに参戦することを表明する。  メインの超獣コンビvsファンクスは、超獣コンビが二人係りでドリーを痛めつけると、怒ったテリーがブロディからチェーンを奪って襲い掛かり、ジョー樋口レフェリーをも殴打しため反則負けとなるも、事件はメイン終了後に起きた。  

リングに上がった馬場は長州に対して「上がって来い!」と挑発すると、長州らジャパンプロレス勢はリングに雪崩れ込み、長州と浜口は上半身裸となって臨戦態勢を取ると全日本勢とジャパン勢が小競り合いとなり、天龍も着ていたシャツを引き裂いて臨戦態勢を取るもここは馬場が宥め、長州らはリングを後にするが、長州が全日本のリングに上がったことでジャパンプロレス勢の参戦は決定的となった。  

 この模様は生中継が終わった後で行われたもので、ゴールデンでの特番も長州登場を見越して組んだものだったが、長州もブルドックス同様テレビ朝日と契約を結んでおり、長州が全日本のリングに上がり、日本テレビ上で放送されるのは契約上NGとされていた。長州登場に向けては日本テレビ側もテレビ朝日側と交渉を持ったが、結局間に合わず、苦肉の策として生中継が終わった後での長州登場となったのだ。 

 最終戦を迎えた12日の横浜文化体育館大会、最強タッグは鶴龍コンビが超獣コンビと対戦し、ハンセンが天龍をウエスタンラリアットでKOした後で、超獣コンビが鶴田にツープラトンパイルドライバーを狙うが、制止に入ったジョー樋口レフェリーを突き飛ばしたため、反則負けとなり、鶴龍コンビが優勝となったが、話題をさらったのは長州で、この日は維新軍団を伴って全日本に参戦、国際血盟団も参戦、長州は浜口、谷津と組んで石川敬士、グレート小鹿、 大熊元司の全日本の中堅勢と対戦、この試合も日本テレビでは放送されることはなかったが、長州はハイジャックニードロップなど維新軍お馴染みの連係を披露、最後は大熊もリキラリアットを降し、来るべき本格参戦へ向けての予告編を充分に見せつけた。また木村ら国際血盟団もシンとの共闘を表明する事で存在感を見せつけた。  

そして1985年1月、テレビ朝日との契約もクリアされた長州は全日本に本格参戦を果たしたが、それと同時に新たなる苦悩も始まった。それはまた別の話である。


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